TOKYO AUTO SALON 2012 イベントリポート
開発の原点/空気入りタイヤ比較什器
開発の原点は息子の自転車用に作った空気入りタイヤ息子のジョニーに「ボクの三輪車をもっと楽に、早く走れるようにして」と頼まれます。そこでジョンはタイヤゴムの内側に空洞を設け、 そこに空気を入れて路面からのショックを吸収させるという構造を考案。1988年に世界初の空気入り自転車用タイヤを生み出しました。 このタイヤが、現在につながるダンロップの開発の原点になります。今回はダンロップ親子の等身大スタンドグラフィックと空気入りタイヤを履いた 復刻自転車を展示。背面にはダンロップのレトロポスターを貼っています。ポスターに記された“Pneumatic”は「空気の入った」を意味しています。 ダンロップ親子に見送られながら進むと、次は「空気入りタイヤの誕生」のコーナーに入ります。ここではゴムだけのタイヤと空気入りタイヤを 実際に回して比較する専用の什器を設置。ゴムだけのタイヤは路面からの衝撃を直に受けて跳ねる一方、空気入りタイヤは衝撃を吸収する作用で タイヤが潰れることにより安定した走りが得られるのを確認できます。 快適な走行性能の追求は、後に乗り心地とハンドリングのバランスに優れたスチールベルト構造の開発につながりました。 |
ハイドロ比較什器
ハイドロプレーニング現象の発見と溝入タイヤの開発1960年、ダンロップは濡れたガラス盤上を高速で通過できる装置を作り、水の溜まった路面を高速で走行した際にタイヤが浮いてクルマが制御できなくなる状態、つまりハイドロプレーニングの現象を初めて解明します。そして、この現象を解消して安定したグリップを実現するために、タイヤと接地面との間の排水を確保する溝入タイヤを開発しました。 今回は「排水シミュレーション什器」を使って、溝入タイヤと溝なしタイヤの排水性の違いを披露しています。開発当時はナイフカットと呼ばれたタイヤの溝が、いかにして接地面の水を排水し、有効なグリップを確保しているかが、ひと目で分かる内容です。 |
吸音性能比較 特殊吸音スポンジROOM/特殊吸音スポンジ体験コーナー
耳障りな音を吸い取る特殊吸音スポンジの開発
オープンスペースから部屋を設けたコーナーへと進入。 |
転がり抵抗比較シーソー&ボール什器
ころがり抵抗の低減技術をシーソーとボールで確認
さて、いよいよ現代の技術を披露するコーナーに突入です。ここでは2種類の什器を使って、最新の低燃費タイヤ「エナセーブPREMIUM」のコア技術である“転がり抵抗”の低減を確認するコーナーに仕立てました。ちなみに、エナセーブPREMIUMはラベリング制度※の転がり抵抗性能AAA~AA/ウエットグリップ性能を実現しています。 |
巨大タイヤ型展示什器/積車型タイヤ展示&Paint Wall
発売間近の新スポーツタイヤ「DIREZZA ZII」と「86」のコラボ発売間近の高性能スポーツタイヤ、「DIREZZA ZII」の巨大オブジェおよび展示用タイヤ(サイズは245/40R18)を披露しているのです。 既存のZI STAR SPECのトレッド面と比べると、左右2本のサポートグルーブがなく、ランド部の面積が増えています。 より高いコーナリングフォースが期待できそうなアレンジです。スポーティなデザインも、観客の注目を集めていました。 今回のブースではもうひとつ、観客の熱い視線を浴びる展示品がありました。 2012年2月に正式デビューする「新型トヨタ86」が、車体の中央部を幕で仕切り、右半分がダンロップブランド、左半分が同グループのファルケン(FALKEN)ブランドで仕立てられていたのです。 ダンロップ側はアメリカンなストリート走行をモチーフに、ファルケン側は伝統あるヨーロッパでの走行を意識した演出。 注目の装着タイヤは、ダンロップ側が「DIREZZA ZII」(前215/40R18、後225/40R18)を、ファルケン側が「AZENIS」(前225/40R18、後225/35R19)をセットアップしていました。また、展示車の86の背景ではPaint Wallと称するライブペイントを敢行。 国内外のライブペイント・イベントで活躍するツトム ナガイ氏が、ダンロップ/ファルケンブランドをテーマにした鮮やかなイラストを観客の眼の前で描いていきました。 過去から現在、そして近未来へとつながるタイヤの先進テクノロジーを多様なアプローチで体感展示した2012年東京オートサロンでのダンロップ・ブース。クルマと路面の唯一の接点であるタイヤの技術革新に情熱を傾けるダンロップに、今後もぜひ注目してください。 |