「Z1 STAR SPECのトレッドの発熱が早いという特性は、サーキットのタイムアタックではかなりのアドバンテージになります。ウェット路面だと通常は、ある程度タイヤに熱を入れるためにウォーミングアップが必要ですが、Z1 STAR SPECだと、アウトラップ後の1周目から最適なグリップを発揮してくれます。また、熱ダレも少なく、レースなどの周回にも向いているというのが、このタイヤの印象ですね。

　エボⅩに関しては、ファミリーセダンがベースとなっているので重心が高く、最初に乗ったときには、サーキットを走るにはロール量が多いと感じました。そこから車高調で、低重心化をして、目標タイムに向けてパワーアップを図っていきました。サーキットを走るだけのセッティングでいえば、やはりキャンバーはできるだけ付けて、トーアウトにするということです。4WDは、コーナリングを電子制御に頼り、いかにアクセルを踏んでいる時間を長くするかがタイムアップの秘訣になります。そこで、このエボⅩは、あえて挙動をクイックにして、コーナリング時にスパッと向きが変わるようにしています。このことで旋回時間が短くなり、クリップ直後からアクセルを全開にすることができます。エボⅩのセッティングとしては、この仕様がいまのところはベストです。

　今年一年、ディレッツァチャレンジやエボⅩのタイムアタックを通じて、Z1 STAR SPECの特性やクルマに合ったタイヤの使い方、セッティングなどいろいろと勉強になることもありました。もし、Z1 STAR SPECの使い方や適正なタイヤサイズなど、迷っているなら直接聞いてもらって構わないので、サーキットなどで質問してきてください」